日本古代史紀行 アキツシマの夢の魅力とは?
「日本古代史紀行 アキツシマの夢」は、恵美嘉樹氏による歴史人物の実像に迫った注目の書籍です。
十五編に書き下ろしを加え単行本化したこの一冊は、著名な歴史人物の意外な一面を描き出し、その実像に肉迫する、歴史の「現場」を知る旅へと誘います。
要点: - 女王卑弥呼の真実 - 邪馬台国はヤマトか - 神功皇后―ヤマトを救った皇后の女神 - 雄略天皇と親衛隊長――楽園独立の夢に奔走す - 名鍛冶師・大仲家持の暗躍
女王卑弥呼の真実に迫る
卑弥呼は邪馬台国の女王として知られていますが、その実像については謎に包まれています。
本書では、中国の史書である「魏志倭人伝」の記述を手がかりに、卑弥呼が実在した時代背景や、彼女が果たした役割について考察しています。
著者は卑弥呼を、大陸との外交に長けた聡明な女性であり、同時に呪術的な力を持つ巫女としても描いています。
卑弥呼の存在が、当時の日本列島の情勢にどのような影響を与えたのか、深く掘り下げて論じられています。
邪馬台国の所在地に新説を提示
卑弥呼が治めた邪馬台国は、これまで九州北部説が有力とされてきました。
しかし本書では、邪馬台国がヤマト(大和)にあったとする新説を提示しています。
著者は古代の地理や交通路、出土品などを丹念に分析し、邪馬台国=ヤマト説の根拠を示しています。
この新説は、日本古代史の常識を覆す画期的な説として注目を集めています。
神功皇后の実像に迫る
神功皇后は、息子の応神天皇の摂政として活躍した伝説の女性です。
しかし、その実在性については疑問視する見方もあります。
本書では、神功皇后の事績を丁寧に検証し、彼女が実在した可能性を指摘しています。
また、神功皇后が朝鮮半島に遠征したとされる伝承についても、新たな解釈を加えています。
神功皇后という人物を通して、古代の日本と朝鮮半島の関係性に光を当てています。
雄略天皇と親衛隊長の「楽園独立」の夢
雄略天皇は、5世紀後半に大和政権を確立した英雄的な天皇として知られています。
本書では、雄略天皇の側近であった親衛隊長・楽園独立の動向に着目しています。
楽園独立は、大和政権から独立し、新たな国家を建てようと画策していたとされます。
著者は、雄略天皇と楽園独立の関係性を丹念に追い、権力闘争の実相に迫っています。
この一件は、古代の政治状況の複雑さを物語る興味深いエピソードだと言えるでしょう。
まとめ
「日本古代史紀行 アキツシマの夢」は、日本古代史の謎に満ちた人物たちの実像に肉迫した意欲作です。
女王卑弥呼、神功皇后、雄略天皇など、教科書では語られない歴史の闇に光を当てています。
著者の緻密な考証と独自の視点は、古代史に新たな解釈をもたらし、読者の知的好奇心を大いに刺激してくれます。
日本の古代史に興味がある方はもちろん、歴史の謎を解明する知的探求の面白さを味わいたい方にもおすすめの一冊です。
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